歯に穴があいた、欠けた。それは本当に「虫歯」?細菌ではなく「噛む力」が原因のこともあります

こんにちは。香川県高松市で咬み合わせを専門とする「吉本歯科医院」院長の吉本彰夫です。

「歯に穴があいてきた。虫歯だと思う」

「歯の一部が欠けて、しみるようになった」

「詰め物を入れてもらったのに、また取れてしまった」

歯に穴があいたように見える状態
虫が喰ったように穴があいて見えても、原因が細菌とは限らない

虫歯とは、もともと虫が喰ったように歯に穴があいた状態を指す言葉です。そして多くの方が、歯に穴があくのは細菌が歯を溶かすから、と思っておられます。

もちろん、細菌によって歯が溶かされて穴があくこともあります。けれども、歯に穴があいたり欠けたりする原因は、細菌だけではありません。毎日きちんとみがいているのに歯に穴があいたのなら、それは、あなたのせいではありません。原因が「噛む力」にあるのかもしれないのです。

力でも、歯に穴があいたり欠けたりする

噛み合う歯どうしに強すぎる力がかかり続けると、健康な歯でも、虫が喰ったように穴があいたり、欠けたりすることがあります。歯が痛む、しみるとご相談に来られた方のお口の中を拝見すると、歯が割れていたり、欠けていたり、ひびが入っていたりすることが少なくありません。

力によって起こる主な変化には、次のようなものがあります。

歯の根元がくさび形にえぐれる

歯の根元が、くさびを打ち込んだようにえぐれていることがあります。強い力で歯がわずかにたわむことをくり返すと、歯の根元に負担が集まり、少しずつ削れていくと考えられています。冷たいものがしみる原因になります。

→ 歯茎が下がる原因と、これ以上下げないために:https://www.kagawacsw.jp/2023/04/25/歯茎が下がる原因と歯茎が下がらないようにする/

歯の先がすり減る・欠ける

食いしばりや歯ぎしりが続くと、歯の先がすり減って平らになったり、角が欠けたりします。すり減った部分は、表面の硬いエナメル質がなくなり、しみやすくなります。

歯にひびが入る・割れる

奥歯に竹割りのように亀裂が入っている写真
噛む力によって、奥歯に亀裂が入っていた例

強い力が一部の歯に集中すると、歯にひびが入ったり、割れたりすることがあります。ひびから細菌が入り込むと、その部分が虫歯のように黒くなったり、しみたり、強く痛んだりします。

→ 歯が急にしみる、ぬるいお茶でも激痛(体験談):https://www.kagawacsw.jp/2020/05/02/歯が急にしみだして痛い【歯の破折】/

原因が力なら、詰めるだけではくり返す

穴や欠けの原因が力にある場合、そこを削って詰めるだけでは、原因はお口の中に残ったままです。同じ力がかかり続けるため、次のようなことが起こりやすくなります。

  • 詰め物がまた取れる、欠ける
  • 被せ物が外れる
  • 詰め物と歯の境目が開いて、そこから虫歯が再発する
  • 治療した歯が、しみたり痛んだりするようになる

詰め物が取れる、被せ物が外れる、歯がしみてくる。こうした症状の多くに、噛み合わせの異常が関わっています。同じ歯の治療をくり返している方は、穴や欠けをふさぐ前に、なぜそこに穴があいたのかを確かめることが大切です。

→ 同じ歯を何度も治療していませんか:https://www.kagawacsw.jp/2020/11/30/何度も同じところが虫歯になっていませんか?/

細菌か、力か。確かめたいこと

  • ① 穴や欠けのある場所と形(根元のえぐれ、歯の先のすり減り、ひびなど)
  • ② その歯に、噛む力が集中していないか(咬み合わせの検査)
  • ③ 寝ている間の食いしばりや歯ぎしりのサインがないか
  • ④ 細菌による虫歯が進んでいないか(レントゲンなど)

細菌と力の両方が関わっていることも少なくありません。原因によって、必要な治療も、再発を防ぐための対策も変わります。

寝ている間の食いしばりのイメージ
寝ている間の食いしばりは、ご自身では気づきにくい

→ 抜歯の原因は、虫歯菌や歯周病菌だけではありません:https://www.kagawacsw.jp/2021/09/21/抜歯の原因は虫歯菌や歯周病菌だけではありませ/

こんな方は一度ご相談ください

  • 歯に穴があいた、欠けたが、虫歯かどうか分からない
  • 歯の根元がくさび形にえぐれている
  • 歯の先がすり減って平らになっている
  • 詰め物や被せ物が、何度も取れる・外れる
  • 冷たいものがしみるが、虫歯はないと言われた
  • 朝起きると顎が疲れている、食いしばりを指摘された

ひとつでも当てはまる場合、穴や欠けの原因は細菌ではなく、噛む力にある可能性があります。

この記事のまとめ

✅ 歯に穴があいたり欠けたりする原因は、細菌だけではない

✅ 噛む力によって、根元のえぐれ、すり減り、欠け、ひびが起こることがある

✅ 原因が力の場合、削って詰めるだけでは、取れる・外れる・再発するをくり返しやすい

✅ 細菌と力の両方が関わっていることも多い

✅ ふさぐ前に、なぜそこに穴があいたのかを確かめることが大切

よくあるご質問

Q1. 歯に穴があいたら、必ず虫歯なのですか?

必ずしもそうではありません。細菌による虫歯のほか、噛む力によって歯の根元がえぐれたり、欠けたり、ひびが入ったりすることもあります。どちらが原因かは、検査で確かめることができます。

Q2. しみるけれど、虫歯はないと言われました。なぜですか?

歯の根元のえぐれや、すり減り、小さなひびなど、噛む力による変化でしみることがあります。歯茎が下がって歯の根が出ている場合もあります。しみる原因を確かめることをおすすめします。

Q3. 詰め物がよく取れるのは、なぜですか?

その歯に強い力がかかっていることが多いです。力が原因の場合、詰め物を入れ直すだけでは、また取れてしまうことがあります。どの歯に力が集中しているかを確かめることが大切です。

Q4. 力が原因の場合、どうやって防ぐのですか?

咬み合わせの検査で力の集中を確かめ、必要に応じて咬み合わせを調整したり、寝ている間に歯を守るマウスピースを使ったりします。どの対策が合うかは、検査の結果をお見せしたうえでご説明します。

Q5. 他の歯科医院に通っていますが、相談してもよいですか?

はい。今の状態を検査でお見せし、ご自身で判断していただくための相談として受けていただけます。いきなり治療を始めることはありません。

治療のご相談は

「歯に穴があいたけれど、虫歯なのか分からない」「詰めてもまた取れてしまう」──そう感じておられる方は、ふさぐ前に、なぜそこに穴があいたのかを確かめてみませんか。

当院では、パノラマレントゲンと咬み合わせの検査で今の状態をお見せしたうえで、選べる方法をご説明します。必要に応じてCT撮影(自費・22,000円税込、ご説明と同意のうえで撮影)も行います。

ネット予約(24時間受付):https://www.cieasyapo2.ci-medical.com/1967/step1

お電話:087-818-1118(受付 9:15〜17:00、水・日・祝を除く)

執筆者

吉本歯科医院 院長 吉本彰夫

(一社)日本歯科専門医機構認定 補綴歯科専門医

(公社)日本補綴歯科学会認定 補綴歯科指導医

咬み合わせと補綴(入れ歯・被せ物など)を専門分野として、日々の診療にあたっております。

医療法人社団吉翔会 吉本歯科医院 香川県高松市屋島西町1968-9 TEL 087-818-1118

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