朝起きると顎がだるい。それは夜の食いしばりのサインかもしれません。自分では気づきにくい6つのサインと、歯に起きていること

こんにちは。香川県高松市で咬み合わせを専門とする「吉本歯科医院」院長の吉本彰夫です。

「朝起きると、顎のあたりが疲れている感じがする」

「家族に、寝ているときに歯をギリギリさせていると言われた」

「自分では食いしばっているつもりはないのに、歯がすり減ってきた気がする」

そのほとんどの方が「自分は食いしばっていない」「たまたま疲れているだけだろう」とお考えです。しかし実際に拝見すると、お口の中に、夜の食いしばりの跡がはっきり残っていることが少なくありません。

気づかないうちに食いしばっていた。それは、あなたのせいではありません。眠っている間のことは、誰にも自分では分からないからです。これまでは、そのサインを確かめる機会がなかっただけなのです。

この記事では、夜の食いしばりに気づくためのサインと、そのとき歯に何が起きているのかをお話しします。

夜の食いしばりは、自分では気づけない

眠っている間の食いしばりや歯ぎしりは、ご本人に自覚がないことがほとんどです。

起きているときは、硬いものを噛んで痛いと感じれば、自然に力をゆるめます。歯や顎からの合図を受けて、脳がブレーキをかけているのです。ところが眠っている間は、このブレーキが働きにくくなります。そのため、ご本人の意思とは関係なく、強く長く噛みしめてしまうことがあります。

「気をつけよう」と思っても、気をつけようのない時間に起きていることです。だからこそ、体やお口に残るサインから気づくことが大切になります。

夜の食いしばりに気づくための6つのサイン

次のようなサインがあれば、夜の間に食いしばっている可能性があります。

① 朝、顎がだるい・疲れている

夜の間に顎の筋肉が働き続けていると、目覚めたときに疲れやだるさとして残ります。口が開けにくいと感じることもあります。

② 頬の内側に、白い線がある

噛みしめたときに頬の内側が歯に押しつけられ、歯の並びに沿った白い線ができることがあります。

③ 舌のふちに、歯の跡がついている

舌が歯に押しつけられていると、舌のふちが波を打ったような形になることがあります。

④ 歯の先が平らにすり減っている

前歯の先や奥歯の山が、平らになっていたり、つやのある面ができていたりします。

⑤ 顎のえらの部分が張っている

噛む筋肉がよく使われていると、えらのあたりが硬く、張って感じられることがあります。

⑥ 家族に、歯ぎしりの音を指摘された

音が出る歯ぎしりは、気づくきっかけになります。ただし、音の出ない食いしばりもあるため、音がしないから大丈夫とは限りません。

食いしばりのとき、歯に起きていること

食事のときに歯が当たっているのは、一口ごとの短い時間です。間に食べ物があるため、力もやわらげられます。

一方、夜の食いしばりでは、歯と歯が直接、長い時間押しつけ合います。しかも、横にこすり合わせる動きが加わることもあります。歯は、真上からの力には比較的強いのですが、横からの力には弱いのです。

さらに、食いしばりは一晩に一度ではなく、眠りの浅いときなどに何度もくり返されることがあります。一回ごとの力は目立たなくても、それが毎晩、何年も続くことで、歯への負担は大きく積み重なっていきます。

こうした力が毎晩くり返されると、歯の表面がすり減ったり、目に見えないほどのひびが入ったりすることがあります。とくに、神経を取った歯や大きな詰め物が入った歯は、力の影響を受けやすいと考えられています。

夜の噛む力が原因で、奥歯に亀裂が入った方のお話です。
→ 奥歯で噛むと激痛。歯に亀裂を入れたのは「夜の噛む力」でした

「虫歯ではないトラブル」は、食いしばりのサインかもしれない

次のようなことが続いている場合、その背景に夜の食いしばりが隠れていることがあります。

  • 同じ歯の詰め物や被せ物が、何度も取れる
  • 虫歯はないと言われたのに、歯がしみる
  • 噛んだときだけ、ピリッと痛む歯がある
  • 歯の根元が、くさびの形にへこんでいる

これらは一つひとつ別のトラブルに見えますが、原因をたどると同じ「力」に行き着くことがあります。

詰め物が何度も取れることと力の関係は、こちらで解説しています。
→ 詰め物や被せ物が、何度も同じところから取れる

噛む力が、歯を失う原因になることについてはこちらです。
→ 毎日みがいているのに歯を失うのはなぜ?

サインに気づいたら、まず確かめたいこと

食いしばりのサインに気づいたとき、すぐに対策の道具を探す方もいらっしゃいます。けれども、その前に確かめておきたいことがあります。

それは、どの歯に、どのくらい力が集まっているかです。同じ食いしばりでも、力が多くの歯に分かれている方と、一本の歯に集中している方とでは、歯への影響がまったく違います。

力の行き先が分からないまま対策を始めても、本当に守りたい歯を守れないことがあります。マウスピースなどを使うかどうかも、検査で状態を確かめてから考えることが大切です。

当院が、食いしばりのご相談で確かめていること

吉本歯科医院では、食いしばりのご相談を受けたとき、まずお口の中に残っているサインと、力の行き先を確かめます。

歯と根の状態を確かめる

パノラマレントゲンで、歯の根や周りの骨の状態を確認します。ひびや根の状態をさらに詳しく見る必要があるときは、歯科用CTをおすすめすることがあります。歯科用CTは自費(22,000円・税込)で、ご説明して了承をいただいてから撮影します。

すり減り方と噛み合わせを確かめる

歯のすり減り方、頬や舌の跡、顎を動かしたときにどの歯がこすれるかを調べます。どこに力が集まっているのかを見るためです。

分かったことをお見せする

調べて分かったことは、画像をお見せしながらご説明します。そのうえで、選べる方法をお話しします。

こんな方は一度ご相談ください

  • 朝起きたとき、顎がだるい・疲れている
  • 頬の内側に白い線がある、舌のふちに歯の跡がある
  • 歯の先が平らにすり減ってきた
  • 家族に歯ぎしりの音を指摘された
  • 同じ歯の詰め物が何度も取れる
  • 虫歯はないのに、しみる歯や噛むと痛む歯がある
  • 神経を取った歯や、大きな詰め物が入った歯がある

ひとつでも当てはまる場合、夜の間に歯に強い力がかかっている可能性があります。

この記事のまとめ

✅ 夜の食いしばりは、眠っている間に起きるため、自分では気づきにくい

✅ 朝の顎のだるさ、頬の白い線、舌の跡、歯のすり減りなどがサインになる

✅ 食いしばりでは、歯と歯が長い時間、横向きの力も加わりながら押しつけ合う

✅ 詰め物が取れる、しみる、噛むと痛むといったトラブルの背景に、食いしばりが隠れていることがある

✅ 対策を決める前に、どの歯に力が集まっているかを検査で確かめることが大切

よくあるご質問

Q1. 自分が食いしばっているかどうか、確かめる方法はありますか?

朝の顎のだるさ、頬の内側の白い線、舌のふちの歯の跡、歯のすり減りなどが手がかりになります。ただ、ご自身で判断するのは難しいことも多いため、お口の中を拝見して、すり減り方や噛み合わせを確かめることをおすすめします。

Q2. 食いしばりは、意識すればやめられますか?

起きている間の食いしばりは、気づいたときに力を抜くことで減らせる場合があります。けれども、眠っている間の食いしばりは、ご本人の意思では止められません。まず、その力がどの歯にかかっているのかを確かめることが大切です。

Q3. マウスピースを作れば、それで大丈夫ですか?

マウスピースが役に立つ場合もありますが、それだけで力の問題が解決するとは限りません。どの歯に力が集まっているのかによって、考えるべきことが変わります。使うかどうかは、検査で状態を確かめてから一緒に考えます。

Q4. 痛みはないのですが、相談してもよいですか?

はい。食いしばりの影響は、痛みが出る前に少しずつ進むことがあります。痛みがないうちに状態を確かめておくことで、歯を守るための選択肢が広がります。

Q5. 検査では、どんなことをしますか?

初診では、パノラマレントゲンと咬み合わせの確認を行います。さらに詳しく見る必要があるときは歯科用CTをおすすめすることがありますが、CTは自費(22,000円・税込)で、ご説明して了承をいただいてから撮影します。検査の内容と費用は、事前にご説明します。

治療のご相談は

「朝、顎がだるい」「歯がすり減ってきた気がする」──そう感じておられる方は、何か対策を始める前に、夜の間にどの歯へ力がかかっているのかを確かめてみてください。

当院では、パノラマレントゲンと咬み合わせの検査で今の状態をお見せしたうえで、選べる方法をご説明します。

ネット予約(24時間受付):https://www.cieasyapo2.ci-medical.com/1967/step1

お電話:087-818-1118(受付 9:15〜17:00、水・日・祝日を除く)

執筆者

吉本歯科医院 院長 吉本彰夫

(一社)日本歯科専門医機構認定 補綴歯科専門医

(公社)日本補綴歯科学会認定 補綴歯科指導医

咬み合わせと補綴(入れ歯・被せ物など)を専門分野として、日々の診療にあたっております。

医療法人社団吉翔会 吉本歯科医院 香川県高松市屋島西町1968-9 TEL 087-818-1118

Follow me!

吉本歯科医院への初診ご予約はこちらからどうぞ

初診のご予約はこちらからどうぞ